消しゴムハンコ制作 aoi
「おい、結局潤ってナニモノだったんだ?」
『un secret ~秘密~ 』の最終話すべてを読み終わりPCを閉じながら司がつぶやく。
「さあ、でも謎のままのほうがいいこともあるよ」
つくしの言うことも一理あるが、なんとなくスッキリしない司。
「でも、ナントカって作家のところには、『潤さんって〇〇さんじゃないですか?』って問い合わせが来たらしいぜ」
「す…するどい読者さんがいるんだね」
「つーかよ、結構いろんなところにヒントがある気しねえか?」
「なんのヒントよ」
「だ・か・ら!潤の正体!!」
「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」
実はつくし、潤の正体を知っていたりする。
本人の(強い)希望で内密にしているわけだが、潤がアホなせいで結構バレてるらしい。
「まあいいじゃん、気づいてて何も言わないのが大人の対応じゃない?」
それでも納得のいかない司。
「オイ、ケータイ取ってくれ」
「ど、どこに電話すんのよ」
「決まってんだろ、潤のとこだ」
「……は?」
人の話全然聞いてないし、コイツ…
つくしの手からスマホを取り上げると、ブツブツ言いながらタップして通話ボタンを押す。
*********
あるひとりのイラスト描きが、嵐の「Daylight」を聴きながらノリノリでMJのイラストを描いているとスマホが鳴る。
表示名を見てビビる
―道明寺司―
「な、な、なにこれ…なんで坊ちゃんから電話がくんのよ」
「ってうかいつの間に坊ちゃんの電話番号が登録されてんだww」
もうパニック状態である。
もしかして潤の正体バレた?
いや、つくしちゃんがバラすとは考えにくい。
滋さん?
いやいや、知っててもしっかり内緒にしててくれたもんな、あの女優。
っていうことは、これがあの有名な「野生の勘」?
こ、怖すぎる…
通話ボタンを押すべきかスルーすべきか…。
う~ん、悩ましい。
by やこ
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