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下記SSはパークリでクリス視点のお話になります。












【 ことば 】










きっと何気ない一言だったのだろう。






それでも私は救われた。それで私は救われた。






すれ違い様にやたらと耳に付いたその一言にこっそり彼を見遣った。
談笑は未だ続いている。
口元に笑みを浮かべ同僚達と話を続けつつも彼の視線はこちらに向いた。
その目はとても驚いているようだった。
だからきっとその場の思いつきで発せられた何気ない一言だったのだろう。






たった一瞬の出来事――。






それでも私の足取りはみるみる軽くなっていた。






女である事は最大の枷であると実感していた。
女である事は最大の枷であると信じ続けた。
煩わしくて仕方のないことが女である事によって山ほど付属される。
それは鎧よりも重く重く圧し掛かる。
全て煩わしいもの、いらないものと切り捨てるように見ないように歩いてきた。
それでもそれは切り捨てる事など出来るわけが無く、
私はどこまでも女であり続ける。






もしも彼がそんな風に本当に思っていてくれるのなら、
もう私は煩わしいなんて思わない。






初めて交わした口付けにそんな昔を思い出した。






必ず彼は私が欲しかった言葉を選らぶ。
耳元で囁かれた言葉は――。
私がいつまでも伝えられなくて、でも欲しかった言葉。
























*******


恋に落ちる瞬間。
恋をしている時は女で良かったと思う。
生理痛を恨めしく思う今この瞬間だけは女をやめたいと心から思いつつ書きました。。。




ありがとうございました!!

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