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意欲がUPしました
Sweets ? Love
? SS「永遠の瞬間」おまけ ?
2012.11.11 UP
輝と未沙がCafé「Sweet Art」へ入ると、一段高い場所に位置する席から華やかな笑い声がした
おほほ ・・・ うふふ ・・・ んまぁ ・・・
品のある女性らの声に目を向ければ、みな落ち着いて裕福そうなご婦人方だ
若向けに思えるこの店には少し意外な気がして、未沙は思わず目を凝らした
「 おお、一条大尉に早瀬少佐ではないか 」
「 「 エキセドル参謀 !? 」 」
ご婦人方の隙間から予想外の人が顔を出し、輝と未沙は驚いて傍に寄った
エキセドルは三つ揃いのスーツを着こなし、膝を組んでゆったりと座る様が小粋だ
「 偶然ですね。エキセドル参謀も、雑誌をご覧になったのですか? 」
「 いいや。この店のスイーツが素晴らしくて、以前からの常連でしてな 」
「 うふふ ・・ 。女性に随分と、おモテになるんですね 」
未沙が同席のご婦人方に目を向けて言うと、その中から返事が返ってきた
人見知りせず話好きな人達らしく、新しく知り合った若いカップルに次々と話掛けてくる
「 参謀様はとってもお優しい方で、お話もお上手なんです。私のお友達にも、ファンがたくさんおりますの 」
「 おみえになるのを皆、心待ちにしておりますのよ? 」
「 お1人でもお出でになりますけど、今日みたく仲良しのお友達とも時々ね 」
と言われて目指する方を見れば、身を縮めている見覚えある人
「 「 マイストロ ――
「 あ、あー! 早瀬君、一条君。奇遇だね 」
指令センターとバルキリー隊の両部署が属する戦闘部門の長である、マイストロフ大佐であった
初めて目にする私服の彼も、やはり三つ揃いのスーツを着ている
慌てた様子の上司に2人は店の端へ引っ張られ、小声で言われた
「 た、頼む。この事は、誰にも言わんでくれ 」
「 誰にも申し上げる気はありませんが、どうしてお嫌なんですか? 」
「 いい年した男が甘い物を好き好んで食べるなど、似合わん 」
「 別に男でも食べますよ 」
「 一条君は若いからいいが私のような年寄りが、こんな若者の店じゃ恥ずかしかろう? 」
まあ、ソレは一理あるかも知れない ・・・
「 大佐が ――
「 それから、その大佐もやめてくれ。ここで私とエキセドル参謀は軍人であるのを伏せているから 」
「 はぁ ・・・ ? 」
マイストロフさまぁ
「 じゃあ、すまんが。そういう事で、ひとつ頼むよ 」
上司は呼び掛ける女性らへにこやかに手を挙げて応えた後、部下達に手を合わせて頭を下げた
そんな様と軽やかな足取りで帰っていく姿は、かつてのお堅い軍人と重ならない
「 未沙。伏せてるって ―― ムリだよな ・・・ ? 」
「 エキセドル参謀のコト、奥様方は “ 参謀サマ ” ってお呼びしていたわよね 」
「 第一あの人 “ 軍の知恵袋 ” って、顔知られてるだろ。マスコミの露出、多いモンな」
集まりはお開きに近かったらしく、一斉に一団が立ち上がった
思い思いにバックや帽子を持ち、帰り支度をする
エキセドルとマイストロフも、帽子を手に取った
「 あら? あの帽子 ・・・ ディアストーカー・ハットじゃないかしら? 」
「 なんか古臭いな 」
「 レトロって言ってよ。うふふ。あれにインバネスコートを羽織ったら、古き良きイギリス紳士じゃない? 」
「 このクソ暑いのに、スーツなんてよく着るよ。パイプでもくわえたら、どっかで見た感じだな 」
「 あそこまでするって、シャーロキアンかも知れないわね 」
「 しゃーろきあん? 」
ディアストーカー・ハット & インバネスコート
Photo By Juhanson 2004
「 コナン・ドイルの探偵小説 “ シャーック・ホームズ ” よ。その熱心なファンを、そう呼ぶの 」
「 ふ??ん 」
「 さしずめエキセドル参謀がホームズで、マイストロフ大佐がワトソンって所かしら? 」
甘いひと時を堪能した彼等2人は、帽子のツバの角度を入念に調整している
お洒落に手を抜いては、ダンディズムを気取れない
紳士は美しいご婦人をそれぞれにエスコートして、颯爽と店を後にした
「 ヒュ??♪ やるぅ 」
「 うふっ。こう言っては失礼かも知れないけど、何だかカワイイわね 」
あとがき
カワイイおっさんコンビ。エキセドルはモテモテです
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