「御堂さん。俺、貴方のことが好きなんです。」

「………佐伯、一体なんの冗談だ?」

「冗談なんかじゃないですよ。俺の本音を言ったまでです。」

「それなら尚のこと性質が悪いな。何故急にそんなことを言い出す?何か私に後ろめたいことでもあるのか?」

「何もありませんよ。御堂さんこそ、どうして俺の気持ちを疑うんですか?俺はこんなに本気なのに……」

「――っ!!ちょっ、よさないか!!ここはオフィスだぞ?!」

「嫌です……御堂さんが俺の気持ちをちゃんと分かってくれるまでこのままです。」

「わ、分かった!分かったからっ!!兎に角離れろ!!!」

「いいえ。まだ分かってませんね。そんなんで俺をごまかせると思ってるんですか?ちゃんとやってください。」

「ちゃんとって…………………………」 

(……あぁ、考えてる、考えてる。本当に律儀だなぁ、御堂さんって……俺のこんな軽口にまんまと騙されて、こんなに真剣に悩んで……可愛いなぁ。今キスしたら怒られるかな。誰もいないといってもオフィスだしな…誰が来るとも限らないし……それはこの状況も言えることだけど。やっぱり御堂さんっていつも良い匂いがするな。この香水昔から付けてる。俺のこと忘れたいって言ってもこれは変えてないんだ……余程気に入っているんだろう。そうだ、今度プレゼントしよう。はぁ、いい香りだ……俺が好きな御堂さんの香り…これだけで充分興奮できるし、幾らでもヌケる自信はある!あ、でも先にやっぱりキスしたいなぁ。御堂さんからしてくれないかな………無理か。)←この間僅か五秒

「……冗談で、んぅ?!」

「…ん……ちゅっ…んふ……っは」

「………っはぁ、随分積極的ですね。どうしたんですか?」

「////君が……君が分からせろと言ったんだろう?!////」

「――っ!…御堂さん、俺を試してるんですか?」

「は?何を言っているんだ?」

「そんなこと言ったら俺が歯止め利かなくなっちゃうじゃないですか。」

「なっ!私は何もしていないだろう?!私のせいではない!!」

「………はいはい。もう俺が勝手に欲情してるだけでいいです。御堂さんは別に俺を欲しくなんかないですもんね?」

「……え?」

「だってそうでしょう?貴方は俺を煽るつもりなんてなかった、そんな気は全然ないって今言ったじゃないですか。」

「そ、そんなことは……っ!」

「違うんですか?まぁ、俺はどうでもいいですけどね。」

「…何故だ?」

「御堂さんにその気がなくても部屋に連れ帰りますから。拒否しても無駄ですよ?俺が有言実行なの、知ってるでしょ?」

「………クス、そうだな。」

「では、参りましょうか……孝典さん?」

「あぁ……克哉。」




END

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