温めのシャワーが俺の身体を叩いて滑り落ちる。
さっき運んだ無防備に眠る牧野。
俺の腕の中にすっぽりと入ってしまう華奢な身体。
両手を開いて掌を見つめ軽く握る。
柔らかかった……
あいつ、あんなに軽いのに俺たちに立ち向かうパワーはどこから来るんだろう。
まるでエネルギーの塊のような女。その女が萎んだ時があった。
原因は司だ。
あんな牧野はもう見たくない。
俺なら牧野に寂しい想いはさせない。
だから俺の手を取ってくれ牧野。
壁に手を付き頭からシャワーを浴び目を閉じる。
さっき触れた牧野の肌を思い出す。
あの白い肌にもっと触れたい。
顔を埋めて牧野の匂いを堪能したい。
俺の印を刻みたい。
それは男としての本能。
惚れた女が同じ部屋で眠っている、こんな状況は俺の心を狂わせる。
濡れた頭をぶるんと振って鏡を見ると、そこには欲情した男の貌が映っていた。
それを自覚した途端、身体の奥に熱が生まれてズクズクと疼き、鎌首をもたげていく。
あっ!
一度自覚した熱は全身に広がり、更に熱を上げていく。
───駄目だ!
そう我慢しようとしても腰の奥に溜まりだした熱が解放を求めて膨らんでいくのを止められない。
自分の身体に指を下へ下へと滑らせる。
そこにあったのは先端から透明な蜜を滴らせた俺自身。
手を添え握ると熱く震えていた。
ぐっと先端から根元にかけて扱く。
「ぅ、ぁあ……」
思わず漏れた声がバスルームに響く。
また熱が上がった。
この状況下で浅ましいのは解ってはいたが、手を止める事が出来ない。
股間から聞こえるくちゅくちゅと淫靡な音が快感を煽る。
「はぁっ……牧野っ」
腰の奥から快感の電流が走り背中を強張らせてびくびくと腰が前後に跳ねた瞬間、
溜まりに溜まった熱が手の中で弾けて壁に当たり流れていった。
by aoi
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