asuhanaさまのお部屋で公開させて頂いた、
「おそろいのパジャマ」のその後の日常小話です。


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その日、つくしは猛烈に疲れていた。
そう……猛烈に………。



バスルームで手に掴んだパジャマに袖を通し、
少しの違和感を感じたものの、何が違うのか考えるのを放棄する程、
……………眠かった。


ふらふらとリビングに辿り着き、
ソファーに転がっている類に声を掛ける。



「…るい…お先……お風呂いい…よ」


その後の事は、コレッポッチも覚えてない。


声を掛けられた類が、つくしを見るなりほんの少し目を見開き、
嬉々としてバスルームに消えたのすら、
覚えてない。



一方、類。


頭から全開にしたシャワーの飛沫を
豪快に浴びる。



……ヤバイ。可愛い過ぎだ。


何がどうして、俺のパジャマを着て出て来たのか?
同じ色、同じ形の色気のカケラも無いハズなのに…。


何であんなに、可愛いんだっ!!


はっ!!もしかして、誘われた?



…ぶかぶかのパジャマ…、
長い袖から指先の小っさい爪だけがピョンと出てた、
桜貝みたいだった。


風呂上がりで全身がほんのり桃色で、
同じボディーソープなのに誘い込まれる様な、
甘い香りだった。



……ダメだ…堪えろ俺!


堪えるんだっ!…息子!


あと少し、コラエロッ!!



***


心の準備OK!
身体の準備OK!
モロモロの備品、準備OK!
モチロン息子の準備、超Ok!



「牧野、おま……た…せ?…」



バスタオル一丁でバスルームから出た類が見たのは、
とっくの昔に夢の中へダッシュで旅立ったらしい、
ソファーの上の愛しい愛しい牧野だった。


まーーきーーのぉーー!!!



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皆さまのお陰で、最終話にFin.を打つ事が出来ました。
最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました。



by 空色

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