ある日の西門邸


つくしちゃん。お客様が遅れてるそうなの。
この間に休憩してちょうだい。


家元夫人に言われて、私は台所でお茶を入れていると、
子供の様子を見に行っていた旦那様が台所にいる私のもとにやって来た。


「つくし。お疲れさま。」
そう言って私を後ろからギュッと抱きしめる。


「総・・・。やけどとかしたら危ないから座って待っててくれる?。ねっ?」
チラリと総を見上げて、そう伝えると、後ろから抱きしめてきた腕に少し力をこめて
「つくしちゃんは結婚してもつれないねぇ~」
そんな事をいいながら首筋にチュッとキスをする。


「なぁ・・・お前なんか悩みとかないか?」
「大丈夫だよ」
「誰かなんか行ってくる奴とかはいねーか?」
「うん、皆様よくしてくださるよ」
私と結婚してから心配性になった旦那様は、
二人きりなると、しつこいくらい私が西門の家で居心地が悪くないかなどを聞いてくる。


私が総のお嫁さんになりたくて、お嫁に来たんだよ。
だからすこしでも総の迷惑にはなりたくないんだよ。
私の事を心配しないで総にはお仕事にだけ集中してほしいのに・・・。


そう思っていると、パタパタとこの家に似つかわしくない足音が聞こえる。


「若宗匠・若奥様~」
そう言いながら駆けてくるこの声は、私と総が結婚したころから、総の秘書をしてくれてる、神山さん。


「神山さん?そんなに慌てて、どうなさったんですか?」
「由依に何かありましたか?」
総が入院してる時に夢で見たという(あくまでも総しかみてないんだけどね)女の子が生まれて、由依という名前を付けた。総と家元夫妻は私に似てる事に大喜びしていた。
「私より、総に似たほうが将来美人さんになったんじゃないの?」


そう聞くと、総と家元夫妻は口そろえて
「俺(総二郎)に似ていたら、きっと愛想悪いぞ(わよ)。
俺(私)はつくし(ちゃん)にそっくりな子じゃなきゃとおもっていたからな、(嬉しいわぁ~~)」
そんな事をいわれた。
西門のすべての人が由依にベッタリだった。


総が由依の顔を見に行くと家元夫妻が揃って由依をあやしているので、
総は自分の子供なのになかなか由依をかまうことができないようだった。


そんな由依に何かあったの?
私が2時間前にお昼寝したのを確認したし、総も様子を見に行って何も言っていなかったけれど・・・。


そんな事を思っていると、神山さんが旦那様の方を見ながら恐る恐る口を開く。


「それが、ほんの10分前に、花沢様がフラリとお見えになりまして、
『由依が16になったらウチの嫁に迎えるからそのつもりでいてねって総二郎に言っておいて』
とだけ言っておかえりになられました。」


私と総は神山さんのこの言葉を聞いてため息をつくのだった
この様子だと・・・おそらく道明寺家からも、美作家からも同様の申し出が来ることだろう。


それを聞いた総は予想通り
「俺は、由依をアイツらの嫁にはやらねぇからなっ」
と言って再び由依の様子を見に行ってしまう。



そんなこんなで西門家の一日は今日も平和(?)に過ぎていくのだった。



fin


by miumiu

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