「月の戦士」第12章「はるかなる故郷よ」(1) へ拍手をありがとうございました!




少しだけ……ほんの少しだけ、ほっと息をついていただけたのではないでしょうか。もっとも、さらなる悲劇の予兆が見えているのですが…。エピローグまでこういうジェットコースター展開ですので、どうか覚悟をしてついてきてくださるようにお願いします。




カレドニアについて


読者の方からこういうご質問をいただきました。
「クレディン族はスコットランドのローランダーということになるのでしょうか?それともイギリス最北部の民でしょうか?また、ピクト人(ハイランダー?)の土地や氏族連合の土地も含め「カレドニア」と呼ぶのでしょうか?」

カレドニアがどの地域を指すのかは、明確な定義がありません。
ウィキペディアを引用させていただきますと、


『ほぼ現在のスコットランドにあたるが(スコットランドのラテン語名は「スコティア(Scotia)」)、カレドニアがさす地域の境界はかならずしも厳密でなく、ハドリアヌスの長城あるいはアントニヌスの城壁を境界とする場合もある。』
とあります。


クレディン族やその他の氏族連合の居住地は「ハドリアヌスの長城の北側でアントニヌスの城壁の南側」と決めてあります。ですから、そこがカレドニアにあたるかどうかは、まさにグレーゾーン(笑)なのです。


文章で説明してもさっぱりなので、まずは下の地図をご覧ください。



ハイランド スコットランド2


小さくて見づらいですが、左の地図の濃い緑色の部分が「ハイランド」で、その東南が「ローランド」となっています。
ハイランド地方は、山が多く、深い断層が作り出した渓谷によって外界と隔絶されており、ケルト文化が色濃く残った地方です。貧しさと独特の文化から、後に、最強の傭兵軍団(ハイランダー)を輩出する地域として有名になりました。
右隣に、ハドリアヌスの長城とアントニヌスの長城の位置を示した地図を並べてみました。


つまり、クレディン族が住んでいるのは「ローランド」に間違いありません。しかし、「カレドニア」であるかどうかに関しては微妙、というのがご質問への答えとなります。どちらにせよ、あくまでローマ帝国がそう呼んでいるだけで、氏族自身は自分がどこに住んでいるかなど、まったく意識していないのです。


もうひとつ、氏族の分布図を見つけました。


スコットランドの氏族

英語なので、少し見づらくて申し訳ないですが、赤い線がふたつの長城です。アントニヌスの城壁の北側に「カレドニ族」の文字が見えますが、これがいわゆる「ピクト族」のことで、「カレドニア」の語源ともなりました。
ふたつの長城に挟まれた地域が、このお話の舞台です。
東から反時計回りに、ヴォタディニ族(オタディニ)族、ダムノニ族、ノヴァンテ族、セルゴヴェ族の領地です。彼らは人種、言語的にはブリトン人(古くからブリテン島に定住していたケルト系の土着民族)に属し、このお話のカタラウニ族、ダエニ族、クレディン族、マヤカ族、のモデルとなっています。

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