黒羽編


葛西が帰るから服を返せと言う。

返すわけないじゃないか。

帰すわけないじゃないか。

傷ついたおまえをひとりになんか、させられるわけ、ないだろう?

ほら、油断をすると、お前はまた隠れて涙を流している。


葛西を起こし、俺の心音を聞かせる。

泣いている赤ん坊扱いかと怒られるかもしれないが、これは大人にも効く基調音なんだ。

落ち着いたか?涙はとまったか?


何があったのかは知らないし、聞かない。

だから、俺の腕の中で安心すればいい。

お前が眠りにつくまで、ずっとこうしているから。




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