ドラマ「陳情令」で藍忘機と魏無羨を演じられた、
王一博さんと肖戦さんをモチーフにした、空想の物語です。
「博君一肖」「BJYX」小説。BL。
みつばのBJYX小説第7弾、「弟弟生日快楽」(4話)。
(注意)現実に存在する方のお名前が入ってますが、内容は、全くのフィクションです。
そのあたりを受け入れられる方のみ、お読みください。
※中国での名前の呼び方、文化、その他、常識の決まり等がありますが、
二次創作上の都合で、書かせて頂いている部分があります。ご了承ください。
弟弟生日快楽(4話)
王一博と肖戦。
バスルームの中で抱き合いながら、キスを重ねる二人の上に
シャワーの湯が降り注いでいる。
王一博のマンションのバスルームはゆったりとした設計でつくられてはいたが、
長身の男二人が情交する場としては、決して広いとは言えない空間だった。
それでも、場を替え、しきり直すという空気では無い。
とくに、そう感じていたのは、王一博だった。
昨夜は、誕生日祝いの後、いい雰囲気でソファの上に共に倒れこみ、
肖戦との関係を進めようとしていた矢先、
一時中断させた間に、酒に酔っていた肖戦が寝てしまったのだ。
…もう、水を差すような事はしたくない。
この機会を逃せば、昨夜と同じことになる。
そして、もし、今の昂った気持ちが我に返ったなら、
なぜかもう、肖戦はこの事を水に流す…いや、バスルームの湯に流し、
無かったことにしそうだ。と思った王一博だった。
こうして。
情熱的に絡みつく肖戦の舌戯に半ば押されるような形で、
王一博も負けじとキスの応酬を続けていた。
キスをしながら、王一博は肖戦の体を手でまさぐった。
シャワーを浴びていた王一博は裸だったが、肖戦は上下の衣服を着たままだった。
王一博の手が肖戦の上半身のシャツの裾を掴み、まくり上げた。
王一博は、肖戦の衣服を脱がせようとしたが、
濡れそぼったシャツは、肖戦の肌にベッタリとはりつき、剥がれにくくなっている。
…早く肌を合わせたいのに。
そんな先走った想いに、王一博は両手で肖戦のシャツを掴むと、
荒々しい手つきで引っ張った。
ビリっという、不穏な音が、肖戦のシャツから発せられた。
シャワーの湯音が響く中でも、その音は書き消えておらず、
王一博だけでなく肖戦も、その事に気づいていたが構わずにキスを続けた。
王一博は、もどかし気に肖戦のシャツの襟首を握った。
そして、わずかに破れた箇所に力を込めると、まっすぐに引き裂いた。
破られ、引き裂かれたシャツが肖戦の足元に落ちた。
「王一博」
肖戦の呼ぶ声に、王一博は「何?」とぞんざいな返事をした。
王一博が肖戦の顔をチラリと見上げると、肖戦は、ただ小さく苦笑を浮かべていた。
それは、シャツを破られた抗議の表情というより、
激情に任せ、こんな荒っぽい行為に走った王一博を『可愛い』と思っているような顔だった。
年上の余裕というやつだろうか。
王一博は、内心の照れくささを誤魔化すように
気まずげに視線を逸らせた。
「服は、後で何枚でも弁償する」
低い声でボソッとぶっきらぼうに呟くと、
王一博は、露わになった肖戦の上半身の素肌に手を這わせた。
指が肖戦の胸の小さな突起に触れると、
王一博は躊躇なく、それをつまんでひねり上げた。
ビクリと、体を震わせた肖戦の動きを手の平で感じながら、
王一博は、身を屈め、肖戦の胸に顔を伏せた。
そして、指先で挟んだ肖戦の乳首を口に含むと、
舌の先で転がした後、強く吸い上げた。
やわらかな感触が、王一博の口内で次第に固くなっていく。
「…ハァ…」
行為を続けていくほど、
荒くなっていく肖戦の吐息が王一博の耳元をかすめ始めた。
王一博は、顔を上げ、チラリと肖戦の顔を覗き見た。
肖戦の潤んだ目が、熱っぽく王一博を見下ろしている。
拒絶は無く、むしろ迎え入れるように、
王一博の頭を両手でかき抱いている肖戦。
自分が与えている刺激に悦んでいるような肖戦の姿に、
王一博は心の中で歓喜した。
「…戦哥」
自分の性戯に肖戦の体が敏感に反応していると感じるだけで、
王一博の中の熱はさらに昂っていった。
王一博は、執拗に愛撫を繰り返すと、
肖戦のもう一つの胸の突起にも同じ行為を施した。
「…んっ…ぁ…」
吐息だけでなく、肖戦が小さく声を漏らしはじめた。
王一博は思った。
まだ抑え気味に聞こえるのは羞恥のせいか?
理性が働いているのか?
それとも、これも、戦哥の演技なのか?
それでも
頭を後ろにそらせ
必死に何かに耐えるように両目を固く閉じている肖戦の顔に
王一博の欲情はさらにそそられた。
王一博は、高まる欲望をそのままに、強い力で肖戦の体をバスルームの壁に押し付け、
両腕で閉じ込めるように愛撫を続けた。
ズッと、足を一歩下げた肖戦の股の間に、王一博が片足を挟み入れた。
そして、肖戦の体を両腕で囲いこんだ。
「…逃げんなよ」
低い声で王一博が囁いた。
「僕から逃げるな」
王一博の言葉に肖戦が目を開け、王一博を見下ろした。
まっすぐに視線を合わせながら王一博が再度口にした。
「逃げるなよ。肖戦」
黙って、瞬きもせずに見つめ返している肖戦に王一博が告げた。
「逃がさないから」
…今度こそ。
この人を、全部僕のものにする。
上目づかいで挑むように見つめる王一博の呪縛を受け入れるように、
肖戦が身を屈めると、王一博の頬にキスを落とした。
そして顔を離した後、肖戦が王一博の耳に唇を寄せた。
「逃げないよ」
甘く囁く肖戦の美声が王一博の中で響いた。
そう言って、クスっと笑う肖戦の余裕の顔が、王一博の中の男の部分を挑発した。
王一博は、片腕で肖戦の体を壁に押し付けながら、
もう片方の腕で肖戦のズボンに手をかけた。
やはり、ずぶ濡れのズボンも肖戦の脚のはりつき、
ホックをはずし、チャックをおろしても、簡単にはずり下げられない。
力任せに、ズボンさえ破ろうとしているような王一博の気配を察し、
肖戦が自らの手を添え、王一博の行為を介助した。
王一博が、下に履いていたボクサーパンツごと肖戦のズボンを引きずり下ろすと、
肖戦が膝を動かして、ズボンから脚を抜いた。
肖戦の足元に落ちたズボンを
王一博が煩わし気に離れた場所に蹴り飛ばした。
バスルームの中。
これで、二人ともが裸になり、生まれたままの姿を見せあった。
共演したドラマ撮影の時。
着替えや、撮影で上半身を見せたことはあっても、
こうして、全身を晒して間近に向かい合うのは初めてだった。
全身、シャワーの湯に濡れそぼった肖戦の裸体。
男女問わず、芸能の世界に所属する他のアーティストたちの美しい体を
幾度も目にしていた王一博だったが、肖戦は特別だった。
…どうすればいい?
そう考える前に王一博の体は勝手に動いていた。
おろした手を肖戦の下腹部に向け、
そして、肖戦のモノをその中に包み込んだ。
王一博は、肖戦の顔からから目を離さずに、その手を上下に動かし始めた。
「……っ…」
与えられた感覚に、顔をゆがめた肖戦の反応を見つめながら、
王一博は、肖戦のものが、自分の手の中で変化していくのを感じた。
「戦哥…どう?」
「ん…。」
肖戦は、口元を拳で隠しながら、
小さな喘ぎさえ、懸命に抑えようとしているようだった。
「…この手、じゃま」
一博は、そういうと、肖戦の手首を握ると、
後方のバスルームの壁に押し付けた。
「戦哥のいい声が聴こえない」
「一博」
異議を唱えるように名を呼びながらも、
肖戦は、耳を赤く染めていた。
「戦哥、恥ずかしい?
それとも興奮してる?」
うわてに立った気になった王一博が意地悪く聞いた。
「……」
無言で睨み返しながらも、肖戦は抵抗しなかった。
「戦哥、僕は今まで、自分以外の男のものを直接触ったことが無い」
王一博は、肖戦のものを手の内で擦り続けながら口を開いた。
「戦哥が初めてだ。
だから、加減が分からない」
それまで尊大な態度でいた王一博が、
躊躇するような声色で尋ねた。
「痛い?それとも、気持ちいい?」
…肖戦には、自分との行為を不快に感じて欲しくない。
そんな想いが出ている王一博の問いに肖戦が薄っすらと微笑んだ。
「少し、痛い。でも…気持ちいい」
やはり、王一博の慣れない手つきは、肖戦には少々荒っぽく感じられているようだった。
だが、好きな人に、触られているという意識が、
そんな感覚を凌駕するほどの快感を与えてくれている。
心にも、肉体にも。
肖戦の腕がスッと下に落ちると、
王一博の手と同じ位置に置かれた。
下腹部に肖戦の手を感じた王一博が、反射的に体を震わせた。
王一博の剥き出しの欲望に、肖戦が直接触れている。
さらに、そこからなめらかな手つきで、王一博のものを愛撫しだした肖戦。
あっけなく、快感を引き出された王一博は、
とっさに小さく呻いた後、唇をかみしめた。
…やっぱり、戦哥は僕より慣れてる。
嫉妬と悔しさのような感情を一瞬浮かばせた王一博だったが、
それ以上に、肖戦から容赦なく与えられる悦びに何も考えられなくなった。
相手のものを手でしごきながら、
互いの熱い吐息が顔に触れるほど接近している王一博と肖戦。
見つめ合い、無言で行為を続ける二人は、
はたから見れば、何かの勝負をしているようだった。
肖戦が自分のものを愛撫する手かげんを覚え始めた王一博は、
しだいに肖戦と同じ動きを始めた。
そんな王一博から、肖戦がスッと手を離した。
それまで与えられていた絶大な快感が引いた王一博だったが、
頭と体の熱はむしろ高まっていた。
まるで王一博に全てをゆだねたように
完全に受け身の姿勢になった肖戦。
無防備に王一博の前で裸体をさらしている肖戦のものに手で愛撫を続けながら、
王一博は、肖戦の横顔に唇を寄せた。
そして、肖戦の耳たぶを甘噛みした後、
そのまま顔を伏せ、肖戦の首筋を舌を這わせた。
「…ぁぁ…」
喉元を逸らせて喘ぐ肖戦の声は、
今まで聴いた中でも、最上の色艶を含んで王一博の耳に届いた。
「戦哥」
恍惚とした顔をしているのは肖戦だったのだが、
王一博の方が夢心地の声を発していた。
「僕のものになれ」
顔を伏せ、耳元で呪詛にかけるかのように、
王一博が囁き続けた。
「僕のものになれよ。肖戦」
…初めて肖戦と会った時。
まさか、こんな事になるとは思っていなかった。
王一博は、心の中で言った。
商売用だとしても、
人を魅了させる可愛い笑顔の男だと思った。
共演するドラマの撮影で再会した時も。
どんな仕事にも真剣に向き合う、真面目な人だという印象だった。
美形のルックス。高学歴で、多才。
望めば、何にでもなれる。
でも。
そんな誰しもが彼に抱くだろうイメージとは別に、
違う感情で、肖戦を見ている自分に気づいた。
ずっと昔から知っている者と再会したような懐かしい気持ち。
一緒にいるのに、
そばにいるのに、
なぜか、寂しく切なくなる。
共にいれば楽しいのに、
ふいに苛立ちと嫉妬のような気持ちさえ湧く不可思議な感覚。
自分のものでいて欲しいのに
絶対に、ならない存在。
時折、演技か本心か分からない肖戦の冷めた表情を見ると、
無意識に距離を置いたところで立ち尽くしてしまう。
芸能の業界に思春期から身を置いた習性からかもしれない。
『あんたは僕のものだ』
そんな独占欲は、今の生活には必要の無いもの。
何かに執着することは、いずれ、この業界で生きていく障害となる。
王一博は、芸能界に入ってから、好きで没頭している趣味のこと以外、
仕事も人間関係も一歩引いた態度でいることは苦では無かった。
しかし、肖戦を意識し始めてから世界が変わった。
最初は、接していた態度も、共演者とうまくやる為とわりきっていたのに、
次第に向ける気持ちが本物になっていった。
ドラマの撮影が終わった後。
もう、こうして会えなくなると思っただけで、心が苦しくなった。
好ましいと思った女性と付き合っても、肖戦の事が忘れられなかった。
離れていても、会えなくても、どこかでつながっている。
肖戦も自分と同じ気持ちでいるはず。
なぜか、そう根拠の無い確信を持ちながらも、不安にかられる想い。
『君が好きだ』
そう言われて、完全に心が繋がったと思っても、
いつかは、離れてしまう。
そんな予感がいつも付きまとっている。
…分かってる。それが僕らの世界だ。
王一博は、自分の愛撫に身を委ね、喘ぐ肖戦の姿を、
目に焼き付けるように見つめ続けた。
「あんたは、僕のものだ」
肖戦に言っているようで、
王一博は、自分自身に言い聞かせるように、何度も口にした。
「肖戦は、僕のだ」
シャワーの湯しぶきを背に浴びている王一博の頭から
とめどなく雫が流れおちている。
頬を伝うものは湯であるはずだったが、
肖戦には熱に潤んだ王一博の瞳から落ちる涙のようにも見えた。
「…なぜ泣く」
吐息を荒くしながらも、肖戦が冷静に言った。
「……」
黙ったままの王一博に、肖戦が再度聞いた。
「一博、どうして泣いているんだ?」
「泣いてない」
「泣いてるだろ」
「泣いていない」
王一博は、ムキになって言いながら
肖戦から表情を隠すように顔を伏せた。
「黙れ。戦」
王一博は、肖戦のものに触れている手の握力を強め、動きを激しくした。
「余計なこと言うな」
…まるで駄々をこねた子どものようだ。
自分で、そう自覚しながらも、
王一博はムキになって、肖戦に低い声で命令した。
「イケよ。イッた顔を、僕に見せろよ」
片手で肖戦のものをしごきながら、
王一博は肖戦の背をバスルームの壁に押し付けるように抱きしめた。
狭い空間に閉じ込め、身動きできないようにしても。
敏感な部分を掌握し、どんなに強い力で抱いても。
肉体を征服しても。
肖戦の全てを手に入れられない、という、もどかしい感覚に陥った王一博は、
焦りに似た気持ちで、肖戦の体を抱いていた。
そんな王一博の心を受けとめるように
肖戦が目を閉じた王一博の頭を手で肩口に引き寄せ、抱きしめ返した。
そして、もう片方の手を自分のものを愛撫している王一博の手の上に重ねると、
そのまま、王一博の動きに沿わせた。
(To be continued)
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