遼二+早苗

困っている人を放って置けなくて、自分の事より他人が優先。
それは美徳に違いないけれど。

「暑いならクーラーの温度下げてもらえば良いのに。」
「夏風邪引いてる人も居るから……」

休み時間の教室は節電も兼ねて控えめの温度設定。
どうせ何処へ行っても同じだけど。
こう云う時、暑さに弱い早苗は我慢するばかり。
一言申し出るくらい良いのではないだろうかと遼二は思う。
我が侭と弱音を吐く事は違うのに。

そこまで通す気なら、此方も強硬手段。

腕を引いて連れて行った、ロッカーの陰。
不思議そうな表情をする早苗の肩から覗くキャミソールの紐。
下にも着ているのを確認して、上のTシャツを捲った。

「ちょっ、遼、何すんの?!」
「重ね着してるなら大丈夫でしょ、脱いじゃえば?」

だからって無理やりの手段だなんて、遼二も解かった上。
驚きと焦りで混乱する早苗から怒られたのも当然。
それで良いよ、僕の前でくらい素顔晒して構わないから。
色恋無しでも此の関係はいつも適温。

*約30の嘘 或る二人「例えばうさぎの皮を剥いでみる」

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