雪融け





 路肩に雪の残る道を君と歩く。

君は怒ってこちらを見てはくれないね。

けれど私は信念を守って君を傷つけてしまったから、どうすることもできずにいる。

電線の張る光の窓が温かい。雪は時折涙を流すけれど、それは太陽の優しい心に甘やかされたんだ。

君の足音は心地好く、玉ねぎを刻んでいくように私を包み込む。

その肌触りに私は微笑むけれど、君は面映ゆい気持ちでいるんだろうな。

アスファルトと煉瓦の隅に、ちいさな輝きの糸が見える。

そこに、七色じゃなくていい、いくつかの色が見えれば完璧だ。

君は声を上げて、振り向いた。

ほらね、春だよ。

私は目を細める。

春が始まるよ。

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