お月見


 田口家のお月見はちょっと変わっている。主役は月ではない。
「ありすぅ。今日もラブリィだなぁ」
と、でれでれしている奴がひとり。
「速水! ごろごろする暇があったら、団子を丸めろよ!」
「……。ありすは美人」
「速水…」
 はぁとため息をついたのは、田口だった。お月見をすると言い始めたのは速水で、しぶしぶ月見団子を作り始めたのは田口で。
 速水は何もしないで、ごろごろしている。いや、愛うさぎのありすと遊んでいる。
「速水、手伝わないなら、団子食わせないからな」
「…」
 これには田口もむかむかしてくる。田口だって、暇じゃないのだ。そりゃあ、救命救急センター長の速水に比べれば暇と言えるかもしれないが、日々、患者のクレームのような愚痴を聞き、病院長の理不尽な難題を解決し、リスクマネジメント委員会長という重責も担っているのだ。精神的な疲労は、速水の比ではないと思う。
 が、それを理解してくれる人は皆無と言っていいのが、現実だった。
「ったく、食うだけなんて許せない」
 何となく怒りが充満する田口。にやりと口元を歪めると、冷蔵庫をごそごそと探し始めた。

 そして、できあがったお月見団子は世にも怖ろしいものになっていた。

 なぜなら、中身はあんこだけでなく、からしに唐辛子に柚胡椒に、豆板醤に…と爆弾団子と成り果てていた。

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