黒羽&春奈編


黒羽の家の台所で、黒羽と春奈は並んで料理を作っていた。

といっても春奈は野菜を切る手伝いをしているだけで、黒羽がほぼすべての作業を1人で行っている。

「透さん、ほんと手際がいいですねぇ。お嫁に行けますよ。」

「嫁かよ。じゃぁ葛西が貰ってくれよ。」

黒羽は言ってからしまったと思った。しかし言ってしまった言葉はもう還らない。

しかし春奈は冗談だと思ったのか、笑っていた。


黒羽は話題を変えようと、今日春奈が話していた内容を思い出した。

「ところでさ、不可侵協定って、誰がいつ作ったんだ?」

黒羽が肉を捏ねながら春奈に聞く。

「さぁ?私があの病院に入る前からあったみたいですよ?本人は知らないんですか??」

「知るかよ。気にしてないし。」

「そうなんですか?でも協定やぶって告白した人とかいなかったんですか?」

黒羽の手が止まり、上を見上げる。

少し間が空き、再び視線をボールに落として肉を捏ね始める。

「あっ。今の間はっ。いたんですねっ。つわものがっ」

黒羽は答えない。

「その人って今もいるんですか?」

「なんでそんなことを聞く?」

「いえ・・・先輩に、この病院で長く勤めたかったら、不可侵協定はやぶるなって言われたことがあったので。その人やめちゃったりしていたら、協定を破ったせいなのかなって思って。」

黒羽は答えない。

「いないんですねっ。うわぁ・・・・。」

春奈が泣きそうな顔になると黒羽があわててフォローしようとする。

「いやっ。いる奴もいる。」

「いるやつ"も"?」

黒羽がしまったっという顔をした。

「いや、辞めたのは協定のせいってわけじゃな・・・」

途中まで話した黒羽の声に春奈がかぶせてくる。

「ってことは、少なくても2人以上には告白されたって事ですよね??さすが・・・・モテモテなんですね。」

???そっちかよ。

「ねっ。なんて言われて告白されたんですか??」

「葛西っ。おまえ面白がってるなっ。いいから手を動かせっ。早くたまねぎをよこせよっ」

黒羽は春奈から包丁を奪うと、すごい勢いでたまねぎをみじん切りにし始めたのだった。



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